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米、量的緩和の終了決定 利上げまで「相当な期間」維持

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米、量的緩和の終了決定 利上げまで「相当な期間」維持

公開日時
2014/10/30 3:10

 【ワシントン=矢沢俊樹】米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、10月いっぱいで量的緩和第3弾(QE3)に伴う資産購入を終了することを決めた。米雇用市場の見通しは「十分な改善がみられた」と強調した。2012年9月から約2年に及んだ緩和第3弾の打ち切りで、FRBの緩和路線は正常化に向け大きな転機を迎える。
 
 声明は市場が注目していた量的緩和を終えてから事実上のゼロ金利を維持する時間軸の書きぶりについて「相当の期間」とする表現をそのまま踏襲した。利上げを慎重に判断する姿勢を改めて示した。
 FRBは9月のFOMCで10月から量的緩和の証券購入額を100億ドル減額し、150億ドル(約1兆6千億ドル)にとどめている。イエレン議長はすでに10月末での停止方針を表明済みで、29日のFOMCも予定通り10月末で新たな証券購入をやめ、量的緩和を停止することを決めた。
 
 決定には投票メンバーのうち、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁だけが反対した。同氏は事実上のゼロ金利をインフレ率が安定するまで向こう1、2年継続するよう主張した。
 
 声明は米経済について「穏やかなペースの拡大が続いている」と説明した。経済は雇用回復と物価安定に必要な「十分な力強さを備えている」と強調している。米経済に幅広い回復の強さが見られるため、資産購入プログラムの終了を決めたと説明した。
 
 利上げまで「相当の期間」を置くとしつつも、景気回復が早まれば引き締めが早まる可能性があると併記している。インフレ率は短期的にはエネルギー価格下落で低迷するものの、2%以下が長期化する懸念は後退していると分析した。
 量的緩和を停止するとはいえ、FRBは米雇用やインフレ率の動向を慎重に見極める姿勢を崩していない。度重なる緩和で積み上げた巨額の資産の残高は保ち、市場への潤沢な資金供給を続ける。今後は市場で2015年半ば以降との見方が強い利上げのタイミングが最大の焦点になる。
 
 
 
FOMC声明の全文 10月29日発表
公開日時
2014/10/30 5:24

 10月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明は次の通り。
 前回9月のFOMC会合後に得た情報によると、米経済活動は穏やかなペースで拡大している。労働市場の状態はやや改善が進み、雇用数はしっかりと増え続け、失業率は下がってきている。全体的にみると、幅広い労働市場関連の指標は、労働資源の未活用が次第に改善していることを示している。家計支出は穏やかに伸びてきており、民間設備投資も改善していっているが、住宅市場の回復は依然として遅い。
 
 物価上昇はFOMCの長期目標を下回る水準が続いている。市場基盤の測定によるインフレ値はやや下がっているが、アンケート調査による測定では長期のインフレ期待は安定した状態を維持している。
 法律で定められた使命を達成するため、FOMCは雇用の最大化と物価安定の促進に努める。FOMCは、適切な金融緩和政策によって経済は穏やかなペースで拡大し、労働市場関連の指標や物価上昇率はFOMCの二大使命と整合的な状態に向かって動いていくと予想している。景気見通しと労働情勢に対するリスクはほぼ安定した状態にある。エネルギー価格の低下やその他の要因から短期的には物価上昇は抑えられる可能性が高いが、FOMCは物価上昇率が目標である2%を下回る水準が続く可能性は今年はじめに比べるとやや薄らいできたとみている。
 
 FOMCは労働市場の見通しが現在の証券購入政策の開始以降からこれまでに十分に改善してきたと判断する。さらに、米経済は幅広い分野で物価を安定させつつ、最大雇用を達成する目標に向けて前進し続けるのを後押しするのに十分な底堅さがあると引き続き判断している。その結果、証券購入政策を10月で終了すると決定した。米機関債と住宅ローン担保証券の償還した元本を住宅ローン担保証券に再投資し、保有国債の償還金を入札で再投資する既存の政策は維持する。米連邦準備理事会(FRB)が非常に大きな額の長期証券を保有し続けるこの政策は、金融緩和状態を維持するのに役立つはずだ。
 
 FOMCは29日、雇用の最大化と物価の安定にむけて続いている改善状態を後押しするためには、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現在の0.0~0.25%で維持するのが適切であると再確認した。この金利を維持する期間の決定にあたっては、雇用の最大化と物価上昇率2%という目標に向けた現在の前進ぶりと今後の改善予測の両方を評価していく。労働市場の情勢を示す指標や、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融市場の状態を含めた幅広い情報を考慮して判断していく。
 
 これらの要因の現時点での評価に基づき、長期インフレ期待が良く抑えられており、物価上昇率がFOMCの長期目標値である2%を下回る水準にとどまるとの予測が続くようなら、証券購入政策を10月に終了した後も「相当の期間」は現在の0.0~0.25%というFF金利の誘導目標範囲を維持するのが適切である可能性が高いと予測する。
 ただし、今後入ってくる情報が米経済はFRBの雇用と物価における目標に向かって現在の予想よりも速く前進していることを示すようならば、FF金利の誘導目標の引き上げは現時点での見通しよりも早く起きる可能性がある。逆に、目標達成への進みが予想よりも遅いならば、誘導目標の引き上げは現時点での見通しよりも遅くなるだろう。
 
 FOMCが金融引き締めを始めると決定したときは雇用の最大化と物価上昇率2%の2つの長期目標と一致するバランスのとれた方策を実施していく。今のところは、失業率や物価上昇率がFRBの二大使命と整合する水準近辺に収まった後でも、経済情勢によってはある程度の期間、FF金利の誘導目標をFOMCが長期的に通常とみる水準以下に維持することが正当化される可能性もある。
 決定はイエレン議長及びダドリー副議長を含む9人のメンバーの賛成による。ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は反対票を投じた。物価上昇見通しに活気のない状態が続き、最近は市場基盤の計測による長期インフレ期待が下がったことを踏まえると、少なくともあと1~2年で物価上昇率が2%に戻る見通しになる時期まではFOMCはFF金利の誘導目標を現在の状態で維持し、証券購入政策も現在のペースで続けるべきだとの理由による。
 

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